骨粗鬆症

カルシウム吸収UPのために。

カルシウムってどのくらい必要なの?

親子のイラストカルシウムは日本人に唯一といってもよいほど不足している栄養素といわれます。1日の必要量600mgに対して、実際の摂取量は570mg程度というデータも発表されています。また、1日の必要量も欧米では一般に1000mgとされており、それからすると60%に満たないレベル……欧米人との体格や食生活全般の違いを考えても、確かに不足しているといえそうです。さらに1日600mgという摂取量はあくまで目安で、年代ごとに異なるのも当然。さらにはこの推奨値はGHQが日本に進駐した時期に現実的な摂取量を換算して設定されたとか。

(1) 成長期のカルシウム摂取量
成長期では、一日の推奨量が600mgで足りるのは7歳まで。8〜9歳では男子650mg、女子750mg、10〜11歳では男子700mg、女子750mg、12〜14歳では男子1000mg、女子800mg、15〜17歳では男子800mg、女子650mg、体格の形成もおわる18〜29歳になると男子800mg、女子650mgが推奨されます。成長期に分泌される成長ホルモンはカルシウムの吸収を高めるため、比較的効率良くカルシウム摂取ができますが、この時期は骨芽細胞の働きが強く、どんどん骨がつくられていく時期ですから、やはり十分なカルシウムが必要なのはいうまでもありません。カルシウム不足のブラックリストは……というと、給食のなくなる高校・大学生の世代と、ジョイント世代と呼ばれる社会人1年生から35歳位までの世代。10代後半から20代前半の女性のダイエット志向や、自由を謳歌できる若い世代の食生活の乱れは要注意です。骨量が最大になる時期のカルシウム不足は将来の骨粗鬆症予備軍といえますね。
(2) 更年期以後の女性や高齢者のカルシウム摂取量
30歳以降の成人は男女とも650mgといわれますが、更年期以後の女性や高齢者では必要量にも個人差が大きくなります。なぜなら、骨の代謝にはホルモンが大きくかかわっているため、女性の場合、エストロゲンが分泌されなくなると破骨細胞の働きが活発になって骨の代謝のバランスが崩れ、骨量が減りやすくなるからです。また高齢になると胃腸の働きも弱くなって腸管からのカルシウムの吸収が悪くなるため、より多くのカルシウムを摂取するとともに、吸収のことも考えた食品選びが必要となります。
(3) 妊娠・出産期の女性のカルシウム摂取量
更年期以前でも、妊娠・出産期にある女性は十分にカルシウムを摂取する必要があります。具体的な付加量はありませんが、通常時の推奨量をめざして十分に摂取することが大切です。


カルシウムの上手な摂り方のコツ

カルシウムは比較的吸収されにくい栄養素で、その吸収率は牛乳の40%が最高といわれています。さらに吸収には個人差もあるため、ともすると不足がち。日頃の食生活の中で十分な量が摂取できるよう心がけましょう。ただ食品にはカルシウムばかりでなく、さまざまな成分が含まれていますから、年齢や体質、既往症などを考えて選ばなければなりません。カルシウムは十分とれても塩分過多になったり、脂肪やコレステロールが多すぎたりしては、元も子もありません。

日本人は乳製品の摂取が少ない反面、昔から豆腐などの大豆製品や海藻・小魚などの海産物、青菜などからカルシウムを上手に摂ってきました。この食生活の知恵をできるだけ生かしましょう。塩分にさえ気をつければ、伝統の日本食はとてもヘルシーであることが今や国際的にも良く知られています。

とはいっても、高齢になってくると消化能力も食欲も衰えがちになり、必要量を食べられない……という悩みも耳にします。牛乳を飲むと下痢をしやすいという人も高齢になると増えてきます。これは日本人ばかりでなく乳製品に馴染みの深い欧米人でも同様の傾向があるそうで、そのような場合、スキムミルクや適切なサプリメントなどが勧められることが多いようです。

特にカルシウムの吸収能力が低下する高齢の方では、吸収を高める活性型ビタミンDを摂取すると効果的です。ビタミンDは自然界では、干しシイタケや魚類に豊富に含まれており、いずれも体内で活性型に変化してカルシウムの吸収を高めます。


ビタミンD3って知ってる?


運動する人のいらすとこれらの機能成分を助っ人として活用することは結構なことですが、注意しなければならないのは、日常の生活がしっかりしているからこそ、その成分が十分な効果を発揮できるということです。バランスのよい食生活や適度の運動といった日常生活を心掛けたうえで不足の部分を補うものであるということをお忘れなく。そして何らかの理由で医師の指導や治療を受けている方は、成分の重複や摂取過剰を避けるためにも、必ずかかりつけの医師や専門家に相談してください。

( 監修 / 和田誠基先生:武蔵藤沢セントラルクリニック 院長
  本田佳子先生:女子栄養大学 栄養学部 教授 )
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後援:日本骨粗鬆学会、(C)yutakanahone-suishin-iinkai