カルシウムの吸収には、ビタミンD
| ● ビタミンDと活性型ビタミンDは違います。 | ||
ビタミンDは食品に含まれる栄養素ですが、活性型ビタミンDは主に体内のカルシウムの動きを調節するホルモンです。ビタミンDは魚肉やキノコ類などの食品に多く含まれ、皮膚でも合成されます。活性型ビタミンDは食品やサプリメントには含まれていません。ビタミンDは腸から吸収されると、肝臓と腎臓で酵素の働きを受け、活性型ビタミンD(1,25(OH)2D)に変化します。活性型ビタミンDは血液1ml当たり数十pg(10の12乗分の1g)というわずかな量で、血液中のカルシウム濃度を調節している重要なホルモンです。
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| ● 活性化したビタミンDには様々な作用があります。 | ||
肝臓、腎臓で代謝を受けて活性化されたビタミンD(活性型ビタミンD)は、小腸からのカルシウムの吸収を助けます。そのため食事から摂取したカルシウムを効率よく体内に取り込むことができます。また、活性型ビタミンDは腎臓の尿細管にも作用し、尿に排泄されたカルシウムをもう一度吸収するように働きます(再吸収)。このように体内のカルシウムの利用効率を高めるように働くのが活性型ビタミンDです。
| ● ビタミンDが足りないと・・・。 | ||
加齢によって、日照を浴びる機会が少なくなり、皮膚でのビタミンDの産生量が低下したり、喫食量や回数が少なくなりビタミンDの摂取量が低下すると、ビタミンDの不足に陥りやすくなります。さらに、腎臓・肝臓でのビタミンDの活性化の低下がおこります。加えて、カルシウムの摂取量が不足し、腸管でのカルシウムの吸収率も低下します。これを補うように骨から血中へカルシウムが溶け出してきます。このようにカルシウムとビタミンDの欠乏は骨量が減少する原因となり、小児ではくる病、成人では骨軟化症が起こります。最近では、ビタミンDが欠乏しないまでも、不足した状態が長く続くと腰椎の骨密度の低下や圧迫骨折が起こりやすくなることが分かってきました。
さらに、ビタミンD不足は、大腿骨脛部骨折の発生にも間接的に影響しているといわれています。ビタミンD不足は、筋力低下や足の痛み、筋力の衰えなどの身体機能の低下にも関連しているといわれています。その結果として日照を浴びる時間が更に短くなり、ビタミンD不足に陥りやすくなります。また、ビタミンD不足によって転倒回数が増え、骨折しやすくなると考えられています。最近、ビタミンDや活性型ビタミンDとカルシウムを服用することで高齢女性の転倒回数が減少し、筋力の低下を抑えられるという報告が見られるようになり、ビタミンD不足が注目されるようになってきました。
| ● 薬としての活性型ビタミンD3製剤 | ||
活性型ビタミンD3製剤はわが国で最もよく使用されている骨粗鬆症治療薬です。その大きな理由は、体内でのカルシウムの利用効率を高めることです。このような作用は活性型ビタミンDにしか見られません。日本人のようにカルシウムやビタミンDの不足が背景にあって、骨量が減少し骨粗鬆症を発症するような場合には、臨床的には、活性型ビタミンDの使用が基本と考えられます。近年、ビタミンDの転倒予防や筋肉への作用も注目されつつあるため、このような点が解明されれば、骨粗鬆症に対してさらに利用しやすくなると考えられます。
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