19歳の息子の事でご相談いたします。今年の6月頃から左鎖骨の痛みがあり、8月に病院で診てもらったところ、胸肋鎖関節炎と診断され痛み止めをもらいました。右の鎖骨と比べると倍以上腫れていて、少しずつ肩の方へ大きくなっているようです。このまま経過を見ても大丈夫でしょうか?
胸の上側を左右に走っている鎖骨は内側の端が胸骨に付着していて胸鎖関節を形成し、外側の端は肩甲骨に付着して肩鎖関節を形成しています。胸肋鎖関節炎と診断されていますので胸骨と鎖骨との間で関節炎が生じているものと推定できます。
左の鎖骨と胸骨との間で腫れと痛みを生じた19歳のご子息様についての相談ですが、病気としては掌跡嚢疱症(しょうせきのうほうしょう、掌蹠膿疱症とも記載)といった関節リウマチの仲間の病気か外傷による胸鎖関節の亜脱臼ないし鎖骨端の骨折後に炎症症状が生じたものと考えられます。掌跡嚢疱症は関節リウマチの仲間の病気で、この病気では掌や足の裏に沢山の小さなぶつぶつとした水疱が出来ると共に左右の胸鎖関節に腫れが出現し、時には手足に関節炎が生じるといった複雑な病気です。
質問しておられる方のご子息は片方の胸鎖関節に強い腫れが生じているだけで手に水疱が生じた様子もありませんのでリウマチの仲間の病気というより外傷が原因の病気と考えたほうが良いでしょう。手足の骨は赤ちゃんや子どものときの軟骨性の骨から成長と共に固いカルシウムで出来た骨に置き換わりますが、多くの骨は20歳ごろまでに固い大人の骨になってしまいます。しかし、鎖骨だけは26歳ごろまで骨の端のほうは軟骨で出来ています。したがって、成人になっても鎖骨の外傷や胸鎖関節の亜脱臼に際して軟骨と骨との境の脆弱な部位が離れる骨端線骨折を生じて、強い腫れや痛みなどの炎症が生じます。
この場合は安静にさせて数週間で腫れ・痛みがひくのを待ち、その間に痛みが強ければ痛み止めの薬を服用する以外に良い方法はありません。その後は将来にわたって鎖骨の一部が少し膨らむかもしれませんが困った後遺症は残りません。質問者のご子息さんはこのような骨折か外傷と考えられますので経過を見ていて大丈夫であると考えます。
( 監修 / 林先生:東京都リハビリテーション病院院長 )