中高年登山で足を骨折し一ヶ月松葉杖を使用しました。松葉杖使用中に手のひらの手首につながる辺りが圧迫のためずきーとして痛みました。一月たって松葉杖の使用回数が減った頃、寝ていて指の痛みで眼がさめました。左の中指と薬指が曲がっていました。引っ張るとポキッという感じで元に戻ります。手管根症候群、腱鞘炎と関係がありますか。
1ヶ月間の松葉杖使用のために手をよく使った後、あるとき中指と薬指が曲がってしまい、引っ張るとポキッと音がして伸びたとのことですが、この状態は“ばね指”と診断するのが適切と考えます。1ヶ月間の松葉杖の使用期間中に体重が掌にかかったために、掌のすぐ下を走っている指の屈曲筋の腱が圧迫され、酷使されたために腱の周りの鞘が浮腫み腱の動きがぎこちなくなってしまったために生じる病気で、これを“ばね指”といいます。“ばね指”は質問者が指摘されている腱鞘炎の仲間で、腱が狭くなった腱鞘を通過しにくくなって”ばね”仕掛けのようにポキン、ポキンと動くことから病名が付けられており、狭窄性腱鞘炎とも診断されます。
“ばね指”の治療法としては痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛剤を用いたり、浮腫んで狭くなった腱鞘内に炎症を抑えるステロイドホルモンを注射したりします。どうしても指の“ばね”現象が続いて痛むといった場合には掌と指の境界近くを切って狭窄している腱鞘を切り開く手術をしますと痛みや”ばね“症状は消えてしまいます。
質問者が疑っておられる手根管症候群は松葉杖などで掌と手首との間を何度も圧迫して人差し指や親指に行く神経が圧迫されると生じる病気で、これらの指の痺れや使い方の拙さなどが目立ってきますが、指がポキッと”ばね“のように動くことはありません。
( 監修 / 林先生:東京都リハビリテーション病院院長 )