骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
41歳マラソンを趣味にし月間走行距離250kmほど走っています。数年前、腰椎で骨密度測定をすると同年代男性の骨密度の70%程と診断されました。時々、腰椎付近が痛みます。また、血圧も若干高めですが骨粗しょう症と関係あるのでしょうか。
答え
骨粗しょう症とマラソンとの関係、そして骨粗しょう症と高血圧との関係についてのおたずねです。
運動により骨に繰り返して圧迫力を加えますと骨は強くなるはずですが、マラソンのようなストレスの強い運動を続きえますと女性では卵巣機能に変調を来たし、男性でも胃の中でカルシウムを溶かす胃酸の分泌が悪くなってしまいます。その結果、女性では女性ホルモンの分泌量が減って月経は不規則になるだけでなく骨量も維持できなくなります。同じ年の運動しない女性よりも女性マラソン選手のほうが骨量が少ないといった例をしばしば見かけます。スポーツ選手に見られる月経異常は、ハードなスポーツを止めたり、シーズンオフになれば再び正常月経となり、その後の妊娠出産には影響がないとされていますが、骨のカルシウム量の回復には時間がかかります。一方、男性でも腸管からのカルシウム吸収量が減り骨に十分な量のカルシウムが沈着しなくなりますので、男性でも女性同様に骨量の維持ができなくなると言えます。
質問者は、現在、腰痛も見られるとのことですので、その原因が骨粗しょう症による腰椎の変形のためなのか、また腰椎に繰り返し負担をかけ続けたために骨から棘が出たり、椎間板が潰れたためなのかを整形外科の先生に診てもらうことをおすすめします。
また、骨粗しょう症と高血圧との関係についてですが、骨からカルシウムが溶け出しますと、溶け出す量に比例して動脈にカルシウムが溜まるといった現象が見られます。これらのことも関係して骨粗しょう症の方には血圧の高い人が多い傾向が見られます。しかしながら、質問者はまだ41歳ですので高血圧の原因はライフスタイルに関係しているのかもしれません。41歳といえば、まだ人生半分に達したばかりですので、腰痛・高血圧の両方について早期診断による的確な治療を受けられ、長い人生をエンジョイされますようにおすすめいたします。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai