骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
71歳の女性です。先日ちょっとした事で腰痛を起こし、整形外科のお世話になりました。骨粗しょう症を心配し骨密度の検査をしたところ、結果は、腰椎正面は同年齢の平均値の103%,20〜40歳平均値の79%よって「骨量減少症」でしたが、左前腕骨が同年齢平均値の84%,20〜40歳の平均値の57%で「骨粗しょう症」と診断されました。尿検査もして、ビタミンDの服用を始めました。骨密度検査はいろいろあるようですがこの差はなんでしょう。左脇は乳がん手術をしており、利き腕ではないので大事にしすぎてしまったかと思うのですが、関係ありますか。
答え
骨密度検査値が部位によって異なることに関するご質問です。
骨粗しょう症は全身的に骨のカルシウム量が減少する病気に間違いはありませんが、どの骨格も完全に1致して増えたり減ったりするわけではありません。普段から負担のかかっている骨の骨密度は高く、あまり負担のかかっていない骨の骨密度は低い傾向があります。しかし、計測されている骨密度値は、同じ部位の同年齢者、または若年成人と比較していますので、普段から負担のかかっていない骨は他の人にとっても同じ条件のはずです。質問者は左前腕骨の骨密度が腰の骨に比べてやや低いとのことですが、これは手術後に左の腕を大切にしておられたためと考えられます。
腕の骨の骨密度について、ピアニストやテニス選手の骨密度は一般の人に比べて非常に高い、利き腕(右腕)の骨密度は反対の腕に比べて高いことなどがわかっています。このように普段から鍛えられている骨は骨密度が高いようです。また、腕の骨密度増加に向けて腕立て伏せをする、2人で腕を捻りあう、など室内での訓練を5ヵ月間にわたって行ったところ運動しなかった人に比べて明らかに骨密度が増えていたといった報告もあります。体内のさまざまな部位の骨折は腰の骨の骨密度よりもその骨格の骨密度の低さと比例して生じやすくなりますので、転んで腕の骨を骨折しないようにするために大事にしすぎていた左手をしっかりと使ってみてはいかがでしょうか。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai