骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
38歳男性です。歩行中つまずき左膝の関節部が外れた様な感じとともに激痛で膝が伸ばせなくなります。ゆっくりではありますが曲げることは出来ます。4年ほど前から座った状態から立とうと膝をひねって立とうとするとよく関節が外れるような、ずれるような感じとともに伸ばすとパキンと音がして正常な状態に戻るという状態に幾度かなっていました。どのようなことになっているのか教えていただけますか?
答え
歩行中につまづいたのがきっかけで1激痛を伴って膝を伸ばせなくなる、2膝を捻った際にずれるような・外れるような感じがする、3膝を伸ばしていくと共にパキンと音がして正常な状態になる、といった3つの症状が現れてお困りのようです。
通常は歩行中につまづいただけで膝関節の構造に変化をきたすような障害を生じません。が、つまづいてかなり激しく膝を捻ってしまいますと膝関節の軟骨の間にクッションの役目や安定性増加のために挟まれている半月板が切れたり、膝関節の両サイドに張っていて膝の横揺れを防いでいる内側側副靭帯が切れたり、外側側副靭帯が切れたりします。そのほかに膝関節には前後方向への揺れを防ぐ前十字靭帯や後十字靭帯もありますが、つまづきだけが原因では考えにくいので前・後十字靭帯損傷は生じないと考えます。このことから、質問者は躓いたのをきっかけに半月板損傷か内側側副靭帯損傷をされたか、または両方の損傷をされたものと考えます。
半月板損傷では切れたり、めくれあがった半月板が関節軟骨の間に挟まり激痛と共に膝が動かなくなるといったロッキング現象が見られます。ロッキング現象が生じた場合は膝関節の隙間を広げる方向・気持ちで足を下方に引き気味にしながらゆっくりと膝関節を動かしますとロッキングが解除されます。質問者の膝は激痛を伴って伸びなくなり、ゆっくりと曲げられる、伸ばしていくとパキンと音がして正常化するとのことですから半月板損傷が最も強く疑われます。さらに、膝がずれるような、外れるような感じがするとも述べておられます。このような感じの訴えは半月板損傷の患者さんでは経験したことがありませんのでので、あるいは内側側副靭帯も切れているか緩んでいて不安定になっているのかもしれません。
これらの損傷の確認は整形外科医師による膝関節の診察と関節鏡による検査で行えますので、まずは整形外科の専門の先生を受診してください。半月板損傷は関節鏡を覗きながら治せる場合が多く、また内側側副靭帯損傷も重症なタイプではなさそうですので、先生に診てもらったとしても大変な手術を勧められることはないと考えますので正しい診断に基づく治療に踏み切ってください。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai