骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
丈夫な骨のためには、カルシウムの摂取とともに、日光浴が有効ということですが、肌を焼きたくないということと、紫外線の悪影響が心配です。日焼け止めクリームなどをしたら効果ないのでしょうか。以前テレビで腕などを7分ぐらい日光にあてるだけでも効果があるといっていたのですが、そんなに短い時間でも効果があるのでしょうか。
答え
日光に含まれている紫外線は皮膚の下でビタミンDを作ってくれるだけでなく、細菌を殺す効果や体の免疫力を高める効果のあるなど人の体にとって大変役立っていることが知られています。
一方、余りにも強い紫外線を浴びますと皮膚に炎症を起こし、炎症が治まる際には色素沈着を生じ、また炎症のために細胞が分裂増加する際に誤ってがん細胞を作ってしまうことがあります。特に、紫外線を通し易い白人がオーストラリアのような紫外線の強い地域に住んでリッチブラウンとばかりに褐色に肌を焼いた場合に皮膚がんの発生率が高くなることが知られており、そうでなくとも皮膚がんの生じやすさと日光被曝量と平行することが分かっています。
このように日光浴の有用性よりも有害性のほうがインパクトが強いために日光を原爆の閃光のようにこわがる人がいますが、夏の甲子園でプレーする高校生、応援する同級生・父母の方々を皮膚がん予備軍と考えないように、また学校の教科で野外の体操や実習が禁止されていないように日光による皮膚がんの発生率はごく僅かです。
それに比べて骨折予防・病気予防など日光による健康維持・増進効果は著しく、回答者の私は日光浴の機会を少なくしようとは全く考えていません。とはいっても白い肌を保ちたい、皮膚がんの危険性を少しでも少なくしたいと考えておられる人もいますので、それらの人はUVカットクリームを塗って黒い長袖、黒い日傘を使われますと紫外線は相当カットされます。女性の50%はビタミンD不足であるといったデータがありますが、それにはUVカットクリームも関係している、冬にはビタミンD不足が目立つなどが分かっています。ところが、1日に必要なビタミンDの量は100単位とされていますので、その程度のビタミンDを皮膚で作るには両方の耳を3時間ほど太陽に当てるだけで十分で、夏ならば木陰で30分、冬なら手と顔に1時間も太陽をあてれば十分です。短い時間の日光浴でもビタミンD産生に効果がありますが、日光浴の代わりにサバ、イワシなど背の青い魚を食べることによってもビタミンDは補えます。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai