骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
52才の女性です。朝起きる時や同じ姿勢でいた後に左ひざだけ曲げると痛くて困っています。普段立ち仕事が多く、左足に体重をかけているせいでしょうか。
答え
質問者の年齢や職業で立ち仕事が多いことなどから推察しますと、左ひざには軽度な変形性ひざ関節症が生じて痛んでいるものと考えられます。この病気はひざ関節に過剰な負担をかけ過ぎた、年齢が中高年と高くなった、などを原因として生じます。ひざ関節は太ももの骨とすねの骨との間の切り餅のような軟骨が挟まってできています。この軟骨は潤滑油の働きをする関節液の働きで、お互いにつるつると滑り、関節を動かしても磨耗しない構造になっています。軟骨の間に関節液が挟まっていますと30分間体重を掛け続けても軟骨同士が接触しないといった優れた構造をしているのが関節軟骨です。しかし、立ち仕事を長時間にわたって続けていますと関節液も横に押し出され、軟骨同士が触れあいます。その状態で関節を動かしますと関節の軟骨はすり減ってしまいます。太っていたり、小走りで動くことが多いなどの動作で関節軟骨の負担が大きくなりますと、ますます軟骨のすり減りは著しくなり、高齢になって軟骨の成分が細かくなって、逃げ出しやすくなりますと磨耗はより大きくなります。左と右の手について使う頻度を考えてみますと、脳の働きの関係で右手を使う頻度が高く、左手は遊んでいることが多いです。同じようの、足についても右足は前に出したり、動かしたりと脳の働きの関係で使う頻度が高いのですが、その間に左足は体をじっと支えているのです。このように左ひざには負担のかかる時間の長いことが左ひざに変形性関節症の生じやすい原因として挙げられます。変形性ひざ関節症では関節を動かした際に痛む、関節を最後まで曲げられないために正座が不可能、階段を下りるのに体重をかけた際に痛むといった症状が最初に出ますので、質問者の方は変形性ひざ関節症の初期の状態といえます。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai