骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
毎年、人間ドックの際に前腕で骨密度の測定をしていますが、「利き手じゃない方の腕で測ります」と言われました。利き手とそうでない方の腕では、骨密度は変わりますか?
答え
骨密度測定は腰の骨、股関節近くの骨、腕や指の骨、踵の骨について行われています。腰の骨の骨密度値では右利き、左利きによる差を生じませんが、腕や指の骨は利き腕の違いにより使用頻度に差が生じるため骨への負担の程度が異なり、負担に応じて骨が強くなったり、弱くなったりする影響が骨密度測定値に現れます。例えば、ピアニストは体の他の部位に比べて指や腕の骨の骨密度値が高いことが分かっており、テニスプレーヤーでは利き腕と利き腕でないほうの腕との骨密度値の差が大きいことが分かっています。このように、酷使しがちな利き腕の骨密度値よりも利き腕でないほうの骨密度値の方が安定した値が得られ、また測定された人の病的な状態、即ち骨折のし易さをよく反映しているといった理由から一般的には利き腕でないほうの骨密度が測定されます。医学は人々の体内の骨密度値の高い状態を把握して安心していただくよりも、骨密度値の低くなっているヵ所があれば、それを把握して改善し、病気にならないようにすることを使命としていますので、先生は「利き腕じゃないほうの腕で測ります」といわれたのでしょう。足にも利き足がありますが、腕ほど利き足のみを酷使する状況が少なく、多くの場合は両足で立ち・歩き・走りますので股関節近く、踵などの骨の骨密度値については利き足でないほうを測定することに腕ほどしばられていません。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai