骨と関節のQ&A・用語辞典
質問
慢性的な膝痛や腰痛に対しては、温めるのと冷やすのはどちらが良いのでしょう。夏などは比較的痛みが少ないのですが、冷える季節には寝起きなど関節が固まっているような感覚があります。カイロや温シップは効果がありますか。
答え
痛みには打撲や化膿によって急に生じる急性疼痛と何日間も続く肩関節痛、腰痛、膝関節痛のような慢性疼痛とがあります。
急性疼痛では強い炎症のために血管が拡張して、傷む部位に体液やリンパ球が集まっていますので、その部位を冷やせば血管を細くでき、体液やリンパ球の集積を分散させることにより痛みが和らぎます。急性疼痛部位を温めますと、その部位の血管はますます拡張して体液やリンパ球が集まり、腫れがひどくなって痛みは増強します。
一方、慢性疼痛部位では筋肉の緊張が続いているために血液の流れが悪くなり、緊張した筋肉が働いたために出来た老廃物が溜まり、その刺激で筋肉はますます緊張するといった悪循環が生じています。このような慢性疼痛部位を温めやりますと、血管が拡張して血液の流れがよくなり、筋肉を固く縮めていた老廃物が流れ去り、痛みは和らぎます。また、夏の間は気温が高いために血管は拡張していますので慢性疼痛は比較的和らぎます。このことから質問者の方が迷っておられる慢性的な膝痛や腰痛に対しては温めた方がよいことになります。温める方法として手軽なのはカイロや温シップです。また、手軽に温める方法として入浴がありますが、入浴後に体が火照っているからと扇風機や夜風に当てて急に冷やさないでください。筋肉を温めた後に急に冷やしますと緩んだ筋肉は再び固くなって温めた効果も台無しとなります。低い温度のお風呂にゆっくりと入り、その後はバスタオルなどを体に巻いてゆっくりと冷ましますと筋肉は軟らかいままとなり痛みが和らぎます。温めることにより血液の流れがよくなる以外に、関節や背骨を繋いでいる靭帯が軟らかくなってスムーズに膝や背骨を動かせるようになるのも温めることによる鎮痛効果となります。また、温泉入浴は転地による気分転換も加わり痛みを忘れさせてしまいますので、冷えて関節の固まり易い季節には暖かな温泉地に行くのも一方です。
( 監修 / 林 泰史先生:原宿リハビリテーション病院 名誉院長 )
後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai