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更年期を前向きに捉える

女性ホルモンは、生殖機能のみならず身体のあちらこちらに大切な働きをしています。女性ホルモンの消退がかかわるさまざまな身体のトラブル。その幅広さ、多様さは驚くほどです。

心も身体も大きな曲がり角にさしかかる、更年期。

エストロゲン低下の影響「更年期」という言葉は、どちらかというとマイナスのイメージで捉えられることが多いのではないでしょうか。確かにこの時期には、イライラして怒りっぽくなったり、気持ちが沈んでやる気がなくなったりすることがあります。また月経が不順になり、やがて閉経を迎えると、「もう女性ではなくなってしまった」かのように感じられる方もいるようです。でもこういったでき事は更年期のほんの一部分でしかありません。じつは更年期の女性は、身体的にも精神的にも、とても大きな変化の時期にさしかかっているのです。

更年期に起こる身体的変化の背景は、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の消退です。従来エストロゲンは、月経・妊娠・出産といった女性の生殖能力に関わるホルモンとして位置づけられていました。従って更年期になって閉経を迎えることは、月経や妊娠の可能性がなくなることであり、それ以上の意味はないと考えられていたのです。

しかし20年ほど前から、エストロゲンは妊娠や出産とは直接関係のない臓器に対しても重要な働きをしていることがわかってきました。現在、エストロゲンが作用する臓器として知られているものには、乳腺や生殖器以外に、骨、心血管系、尿道や膀胱の一部、脳、皮膚などがあります。

エストロゲンはこれらの臓器が正常に機能するために必要であり、閉経してエストロゲンが消退すると、骨粗しょう症や動脈硬化性疾患、排尿障害、性交障害などさまざまな病態が急速に進行することが明らかになってきたのです。


(監修 / 相良洋子先生:さがらレディスクリニック院長)
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