関節痛〜ひざ・肩〜

関節痛の治療と薬剤

注射のイラスト 1. 関節内注入薬
(A)ヒアルロン酸ナトリウム
(B)ステロイド剤
錠剤のイラスト 2. 抗炎症薬
(A)ステロイド製剤
(B)非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛剤)

   

2. 抗炎症薬

(A)ステロイド製剤
(一般名:プレドニゾロン(5mg)、リン酸ベタメタゾンナトリウム(0.5mg)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(0.75mg)   ※( )内の数値は同じ効果を示す量
効果: 炎症を強く抑える薬で、約50年前にステロイド剤の効果を発見した医師はノーベル賞を受賞し、地球上から関節リウマチが消え去ってしまうのではないかと期待したほどの効果的な抗炎症薬です。関節リウマチに血管炎や内臓病変を伴う場合、発熱・激しい多関節炎などを伴う場合などではステロイド剤を用いることになっています。また、関節リウマチに対して非ステロイド性抗炎症剤のみでは関節炎が治まらず、仕事に出たり、家事や趣味に力を入れるのに困るといった場合に使われます。

投与量は1日2~3mgから10~20mgまでと様々ですが、関節リウマチ以外の膠原病では、1日30mg程度使われること、関節リウマチにもパルス療法といってプレドゾロニンを1日1g、数日間点滴静脈注射されることもあります。変形性関節症にはステロイド剤が全身的に投与されることはありません。
副作用: ステロイド剤を関節リウマチに投与して劇的な改善効果を見出し、ノーベル賞を受賞した医師が「もう私のところにステロイド剤をもらいに来ないで欲しい」と叫んだのは副作用の強さ、多さによります。

健常な人の体でも副腎という臓器でプレドニゾロン量として1日に5mg程度のステロイドを分泌していますので、薬としてステロイド剤を内服し続けますと副腎は出番がなくなり仕事をしなくなります。これを副腎機能不全といいますが、この場合にはショックに対して体が脆くなり容易にめまいを生じたり、低血圧になったりします。細菌に対する抵抗力も低下し感染症にかかりやすくなりますが、その傾向はステロイド剤の使用期間が長くなるほど大きくなります。

その他、胃・十二指腸潰瘍、骨粗鬆症、糖尿病にかかりやすくなり、稀には精神症状が出現したりします。したがって、医師はステロイド剤を処方する際に少量を短期間にと努力しますが、どうしても炎症が強い場合は長く処方しがちとなることを十分にご理解のうえ、ご自分でも減らす努力をしてください。
 
(B)非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛剤)
(一般名:アスピリン、メフェナム酸、イブプロフェン、ナプロキセン、チアプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、スリンダク、ピロキシカム)
用法: 経口剤や坐薬、外用薬(塗り薬や貼り薬)があります。多くの種類がありますので、それぞれの症状に合わせて薬の量や使い方を医師と相談のうえ処方してもらってください。
効果:

炎症反応を改善させることで痛みや腫れを和らげるのが主な作用です。変形性膝関節症の治療では、関節の変形から生ずる痛みや腫れの症状を改善させる目的で使われますが、関節の変形そのものを治すわけではありません。また、薬の使用期間も捻挫や打撲のようなけがの治療と違って数か月間という長期におよぶ場合もあります。

副作用: 最も多い副作用は消化管症状で、胃炎などによる胸やけや食欲不振といった症状が出現します。その他、頻度は低いですが腎機能障害、肝機能障害、循環器障害、呼吸器障害、皮膚障害などが報告されています。これらの副作用の大部分は重篤なものではありませんが時に重症化する場合があります。ですから、非ステロイド消炎鎮痛剤を使用後、副作用によると思われる症状が出現したときには直ちに医師に報告してください。また、もともと本剤にアレルギーがある方は、事前に医師に相談が必要です。副作用が出現した場合には、薬を一時中断し必要な検査や処置を行います。そして、副作用がおさまった後も治療が必要な場合は、薬の量を減らしたり種類を変更して治療を行います。

( 監修 / 林 先生:東京都老人医療センター 院長 )
特別協賛:中外製薬株式会社,後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai