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【解説】関節痛
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変形性膝関節症の治療方法(保存療法)
変形性膝関節症の治療方法(保存療法)
変形性膝関節症の治療方法には、大きく分けて
保存療法
と
手術療法
の2つがあります。保存療法には
リハビリテーション
、
装具療法
、
薬物療法
があり、これらを組み合わせて行われます。手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性膝関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。
●
リハビリテーション
変形性膝関節症に対するリハビリテーションの目的はひざの曲げ伸ばしの回復(
可動域訓練
)とひざを支える筋力の回復(
筋力訓練
)です。関節の2大機能である可動性と支持性を回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療のみならず予防法としても大変重要であり、多くの人に積極的に行っていただきたい内容です。
可動域訓練
可動域訓練は、変形性膝関節症によって関節の動きが悪くなったり、動く範囲が狭くなったりした場合に、その動きの改善や動きの範囲を広くするために行われます。
ひざの曲げ伸ばしの訓練は、まずひざを温めてから行うと痛みも少なく関節や筋肉も柔軟になっているのでより効果的です。蒸しタオルを10分程度ひざに当てたり、入浴時に浴槽のなかで訓練したりするのが良いでしょう。
筋力訓練
変形性膝関節症では、太ももやひざの周りの筋肉を鍛えてひざ関節を支える力を強くすることが大切です。仰向けに寝た状態や椅子にすわった状態で片方の脚を伸ばし(寝た状態では30〜45度位に挙上)、そのまま10秒ほど支える方法はひざ関節を支える筋肉として1番重要な大腿四頭筋の力を鍛える簡単な方法としてお勧めです。また、水中歩行などプールでの運動は浮力のためにひざへの負担が少なく筋力をつけるのに大変有利です。
【注意!】
リハビリテーションは自分自身でできる大変有効な治療法ですが、正しいやり方と適切な量が大切です。間違ったやり方や訓練のしすぎは返って症状を悪化させる場合もあります。医師や理学療法士の説明と指導をちゃんと受けることが必要です。
●
装具療法
装具の目的はひざ関節にかかる負担を軽くすることと関節を安定化させることです。装具には次のようなものがあります。
サポーター
サポーターは自分で手軽に購入することができますが、サポーター自体にはひざ関節の負担の軽減や関節の安定化作用は大きくありません。サポーターは装着したときに感ずる安定感と関節の保温効果がおもな働きです。
足底板
足底板は靴の中に入れたり足に直接つけたりする装具で、O脚を若干矯正することにより立ったり歩いたりする時にひざの内側にかかる負担を減らして痛みを和らげることを目的としています。変形性膝関節症の初期から中期で変形がそれほど強くない時期に有効です。
機能的ひざ装具
機能的ひざ装具はプラスチックや金属の枠組みでつくられた装具でひざ関節の安定性を高めることで痛みを和らげることを目的としています。簡単な装具の場合、取り外しは簡単ですが関節の安定効果は高くありません。逆に大掛かりな装具は関節を安定化させる効果は高いのですが取り外しがやや面倒であり、費用もかさみます。
杖
体重を分散させるので、歩くときにひざの痛みが緩和されますし、転倒防止にもなります。ひざだけでなく立ったり歩いたりする時の脚全体にかかる負担を軽減し安定性を高めます。杖には松葉杖やさまざまな種類のものがありますが、日常生活ではT字杖が使用されます。
●
薬物療法
変形性膝関節症に限らず現在病気の治療に使う薬は大変多くの種類と様々な使い方があります。薬物治療の原則は「必要最低限の薬を適切な使い方で」です。自分のひざの状態をよく理解し、医師とよく相談の上適切な内容を選択してください。
薬物療法の種類
用いられる薬の成分と使用上の注意
注射
・局所注射
・関節内注射
ヒアルロン酸、ステロイド剤
▼ヒアルロン酸
軟骨の成分のひとつであるヒアルロン酸を人工的に作った製剤で、ひざの関節内に直接注入することにより、軟骨の修復を促して、ひざの動きを滑らかにします。穏やかな効き目で、定期的に注入できるのが利点です。
分子量190万のヒアルロン酸は生体内のヒアルロン酸に近く、粘性や弾性に優れているといわれています。
▼ステロイド剤
強い炎症を抑える目的で用いられることがあります。即効性がある反面、感染や、ステロイド関節症などを引き起こすことがあります。
【関節内注入後の注意!】
・ 入浴を控える。
・ 注射したところをもんだり、不潔な手で触ったりしない。
・ 急に激しい運動をしない。
関節内注入後は、感染を避けるためにその日の入浴は控えて、また注射した部位をもんだり、不潔な手で触ったりしないようにしましょう。痛みがなくなるとついつい、いつもより余計に歩いたりして、ひざに負担をかけて、また悪化させてしまいます。急に激しい運動をしないように気をつけましょう。
内服薬、坐薬
非ステロイド系消炎鎮痛剤
いわゆる「痛み止め」といわれる薬のことで、正しくは関節炎などの炎症を治すことで痛みを和らげる作用を持っています。
内服薬は通常1日に3回含むものが多いですが、種類によって1日1回や2回のものもあります。また、坐薬はお尻から挿入するタイプのもので使い方が異なりますが、内服に比べて痛みを和らげる効果が強く胃腸への副作用が比較的少ないという特徴を持っています。
【注意!】
非ステロイド系消炎鎮痛剤には多くの種類がありますが、どの薬にも胃腸障害などの副作用があります。医師と相談の上適切なものを選択し、正しい方法で使ってください。
外用薬
・塗り薬
・貼り薬
非ステロイド系消炎鎮痛剤など
塗り薬には、クリーム状、ゲル状のものなどがありますが、患者さんの皮膚の状態、使い心地によって処方されます。塗りこむことによるマッサージ効果も期待されます。貼り薬には、温熱タイプと寒冷タイプがあります。ひざに熱感や腫れがある場合には冷たいタイプが良いでしょう。また最近の外用薬は非ステロイド剤が含まれているものが主体となっています。
【注意!】
塗り薬や貼り薬では、薬自体の刺激や塗り過ぎ貼り過ぎにより皮膚の湿疹やかぶれが生ずることがあります。医師や薬剤師から含まれている薬の成分や正しい使い方の説明を受けてください。
( 監修 / 大森 豪先生:新潟大学超域研究機構 教授 )
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