コラム

ダイエット女性に警告!あなたの骨が大ピンチ

江澤 郁子 先生江澤 郁子 先生
もうおなじみの「骨粗鬆症」ですが、みんなの予防対策はまだ不十分。とくにダイエットに励む若い女性は、将来、骨粗鬆症になる危険が大とか。女性は年齢に関係なく、 “骨強化”に取り組みましょう。

取材協力:日本女子大学名誉教授・東京骨を守る会会長

「やせ女性」は骨が弱い

 平成13年度の国民栄養調査によると、男性に肥満がふえている一方、若い女性では「やせ(低体重)」と判定される人が急増しています。「背景には行き過ぎたダイエット志向がある」というのは、今回、お話をうかがった江澤郁子先生。ダイエットによるやせ傾向は、最近は中学生や小学校高学年にもみられるそうです。女性の10代前半は、女性ホルモンの関係で、からだつきが女らしくなる時期。その変化を太ったと勘違いし、ダイエットに走るケースが多いのです。そうしたダイエットは、女性ホルモンの分泌や、骨の成長にも大きな悪影響を与えます。

 「骨中のカルシウム(骨量)は、若い時期に急激にふえ、20代から30代をピークにそれ以降は徐々に減ります。10代は、“骨の貯金”をする時期です。この時期に間違ったダイエットをすると十分に骨量を高めることができず、あとからでは取り戻しにくいのです」と江澤先生。中学生時代の過激なダイエットにより、20歳で背骨を圧迫骨折した例もあるそうです。

 「いまの若い人の将来が心配です。10~20代の娘さんをもつ人は、お子さんの将来のためにも行き過ぎたダイエットに気をつけて」(江澤先生)

低体重(やせ)の人がふえている

低体重(やせ)の人がふえている※肥満度の判定に使われるBMIで、「低体重(やせ)」と判定された女性の割合。平成13年度国民栄養調査。

まだまだカルシウム不足

 近年、主要な栄養素はほぼ満たしている日本人の食生活ですが、唯一の例外がカルシウム。前述の国民栄養調査でも、1日あたりのカルシウム所要量600mgに対し、成人で満たしているのは60代だけ。20~40代は500mgに達しておらず、とくに20代の女性では457mgという低さです。ハイティーン女性も、700mgの所要量に対して摂取量516mgで、まったく足りていないのが現状です。50代、60代女性のカルシウム摂取量が比較的多いのは、骨粗鬆症への危機感からのようです。もちろんその時期にもカルシウム摂取は大切ですが、“骨の貯金”は若いときほど効率よくできます。

 「カルシウム摂取は少しでも早くから、全世代を通じて心がけるべきです。30~40代のお母さんは、娘さんにカルシウムをとらせる一方、ご自分も積極的にカルシウム摂取を」と江澤先生は呼びかけています。


年齢とともに骨量はこう変わる

年齢とともに骨量はこう変わる

正常な背骨の断面
十分なカルシウムで密度が高く、硬い。

骨粗鬆症になると

スが入ったように骨がスカスカでもろい。
写真提供:井上哲郎 浜松医科大学名誉教授


骨のピンチにアドバイス
イラスト ・カワノミツヒロ

10代 20代~30代
10代
不要なダイエットは“骨の貯金”が減るぞ!
いちばん骨の貯金をしたい時期。カルシウムをとってからだを動かせばグングン骨に吸収される。骨貯金を妨げるダイエットは禁止。  
20~30代
カルシウムをとって骨量のピークを維持
骨量は20歳以降ふえないが、がんばればピークの骨量が維持できる。カルシウム不足が目立つ年代なのでもっと積極的にとろう。
40代~50代 60代
40~50代
適度な運動をプラスして骨量の低下を防げ
骨量の低下を最小限に抑えることが大切な時期。十分なカルシウム摂取に加え、意識して運動を習慣づけよう。
 
カルシウムに加え、転倒にも気を付けて
カルシウム摂取と適度な運動をつづけるほか、転倒防止にも心を配り、骨折を防ごう。
 

法研刊 すこやかファミリー 2003年4月号より転載
 
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後援:日本骨粗鬆症学会 (C)yutakanahone-suishin-iinkai